想像していたよりもはるかに高いハードルで完全一見さんお断りの世界でした。

「何だかんだいっても世界的大ヒットシーリスなわけだし、ビギナー観客への配慮っていうのは一応要所にあるんだろう、ちょっとタカをくくってたところもあるんですよ。いきなり素で見てももちろん大丈夫だろうと思ってたんですけど、ぶっちゃけねぇ、ハリポなめてました。全然親切じゃない（笑）。少なくても単体で満足させる気が無いんですよ。あらゆる意味で。びっくりしました。その思い切りが。」

何が面食らったって…

「もちろん大きな話の途中から始まるシリーズはたくさんあるけど、本当に文字通り話の途中から始まるってことですね。前作のおさらいが全くない。これ珍しいと思います。はっきりいって。ハリポは甘くないですよ。普通は前作のケツを軽くもう一回おさらいしてくれたりとか、何らかの着陸ができるように配慮してるわけですよね。なんだけどハリポはそんなに甘くないですよねー。直後からほんとに始まるんですよ。
これはつまりハリポは甘くないんですよ。ハードコアですよ。
 当然のようにがんがんハリポ世界の特有の用語や固有名詞が飛び交うんですよ。開幕数十分は必死でその意味とか背景とか類推しまくるわけですよね。多分こういうことだろうみたいな。ものすごい頭使いました。知ってる人と比べて１００倍位使いました。一種のゲームとしては楽しかったです。」

要するに大きく分けて３パート

「まあ見てると大まかな状況がさすがに分かってきます。同時に時間が進むにつれて、登場人物にも今回初めて知らされる情報も増えてくるわけだから。ノッてきますよ。要するに大きく分けて３パート
・超強い多分ラスボス的なやつにハリーのお仲間たちが追われる身になる
・その超強いラスボスを倒すためには分霊箱を見つけて然るべき方法で破壊しなければいけない。
・３つ集めると無敵になるアイテムをラスボスが手にしようとしている…ヤバーイ！
ってこと。」

んでこうして整理すると別に面白そうじゃん…て感じですよね。

「ハーマイオニーちゃんが両親の記憶を消す。そんぐらいの覚悟で旅立つんだっていうところね。さすがにとても切ない場面てことはわかりますよ。なんならその気になりゃあ泣けますよ。
あともとを知らないからっていうのもあると思うんですけど、追われるハリー達が途中現実のロンドンで刺客に突然襲われるとこ、魔法なんだけど銃激戦みたいになるところは乾いたバイオレンス感があって結構カッケーみたいな。一瞬で勝負が付く感じも俺好み（笑）。まぁ元々のファンには若干不評のようで。」
  
分霊箱を壊すところ。まあこれは事実上クライマックス的な盛り上がるところ。ここでやってること自体はもろに『ロード・オブ・ザ・リング』っぽい。持ってる人はおかしくなっちゃうとか。自分の中のダークサイドが出ちゃうとかさ。あと死の秘宝の設定自体が『ロード・オブ・ザ・リング』の指輪っぽいよね。むっちゃ最終兵器ですよね。死の秘宝をめぐる昔話を影絵風に見せるところを素晴らしいアニメーションで見せるところは素晴らしかったし。」
  
「非常に『ロード・オブ・ザ・リング』的ですけど、ロンくんが心を惑わされる訳ですね。そこでさ一番見たくないビジョン見せられる訳です。一番肝心なとこはハリーに対するコンプレックスっていうのをもろに突かれるってとこ。これは今回からだけ見てても面白いじゃないって思ったし、ビジョンも結構ブチューって。乳首のあたりは煙で隠れてましたけど（笑）。あれはやっぱり僕が見てもこれは結構エグイんだろうなぁと。ましてやファンが見たら、より「うわぁやめてー」ってことになるんだろうから、これはいいんじゃないんですか。」
  
「あとはラストね。あるキャラクターの顛末。これも『ロード・オブ・ザ・リング』で言うところのゴラムに非常に似たキャラクターなんですけどね。そいつの顛末もまぁ泣けるっていうのはわかりますよ。いい感じの場面でしたよね。かわいそうでしたね。うん。ああいうのがよぼって死んでくとやっぱり泣けるってなるね。」

「部分々々でイイところはあるっていうのはわかるんだけど…」